はじめに
UiPathのプラットフォーム(Orchestrator等の製品群)にはデプロイメントが3種類ある。そのうち、UiPathがホストするクラウドであるAutomation Cloudは使える機能が最も多く、スモールスタートから手軽に拡張できるため多くの企業にとって最適な選択肢になる。
しかし、日本企業ではクラウドを利用する際セキュリティ面がネックとなりやすい。そのためこの記事では、その懸念を払しょくする参考材料としてUiPathのセキュリティへの取り組みや気になる疑問をまとめた。
UiPathのセキュリティへの取り組み
遵守するセキュリティ基準や認証
2024年1月現在で、Automation Cloudが対象の基準や認証は下記の3つ(引用元をDeepL翻訳で和訳したもの)。
詳細や最新情報はこちらの「Industry Certifications and Attestations」を参照。
SOC 2®
米国公認会計士協会(AICPA)のシステム・組織統制(SOC)報告書は、UiPathに最も機密性の高いデータを任せている規制の厳しい業界のグローバル顧客に、独立した保証を提供するものです。
出典:UiPath Security | UiPath
UiPathは、米国公認会計士協会(AICPA)のセキュリティ、可用性、機密性に関するトラストサービス基準に関連する統制をUiPathのクラウド製品に関連して調査し、SOC 2®レポートを発行するために、独立した公認会計士事務所と契約しています。
Health Insurance Portability and Accountability Act (HIPAA、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律 )
出典:UiPath Security | UiPath
HIPAA の下、UiPath は、対象事業体およびその他の業務提携先に対する業務提携先として行動します。HIPAA認証は、UiPathがクラウドサービスプロバイダとしてのUiPathの事業に適用される管理的、物理的、技術的なセーフガードを設計し、実装していることを顧客やビジネスパートナーに独立した保証を提供します。
UiPath は、HIPAA セキュリティ、プライバシー、および侵害通知規則内で適用される実装仕様に適合しているかどうか、UiPath の情報セキュリティおよびプライバシー プログラムを 6 か月ごとに調査するために、独立した公認会計士事務所に依頼しています。
HITRUST
HITRUST Risk-based, 2-year (r2) Certifiedステータスは、UiPathが厳しい規制コンプライアンスと業界で定義された要件を満たし、リスクを適切に管理していることを証明するものです。この達成により、UiPathはこの認定を取得した世界中の組織の中でも排他的なグループに入ることになります。
出典:UiPath Security | UiPath
脆弱性に対する取り組み
HackerOne(米国サンフランシスコに本社を置くサイバーセキュリティソリューションを提供する企業)の協力の元、Bug Bounty Programという取り組みを行っており、RPAプラットフォームとその周辺エコシステムの脆弱性について対策を行っている。
詳細やそのほかの取り組み等はこちらの「Bug Bounty Program」および「Internal & external testing」を参照。
その他の取り組み
希望すれば自社のセキュリティ担当者向けにNDAの下、UiPathがセキュリティに関する運用や取り組みに関する詳細情報を提供することも可能(参考)。
FAQ
- Automation CloudのOrchestratorを日本で利用する場合、データセンターの場所やリージョンは選べる?
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できる。テナント作成時にリージョンを選択する。各サービスのビジネスデータは選択したリージョンでホストされる。ただしCommunity および Free プランの場合は既定で欧州連合 (EU)となる。また、サービスによっては日本国内でホストされないものもあるので下記リンク先を確認することをおすすめする。
詳細はAutomation Cloud – データ所在地を参照。 - IP制限はできる?
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Enterpriseプランのみ可能。
設定方法等の詳細はAutomation Cloud – IP でアクセスを制限するを参照。 - バージョンアップは自動で実施される?
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1ヶ月に2回のペースで自動で実施される。
- 障害やメンテナンス情報はどこで確認できる?
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UiPath Statusで確認できる。また、英語のみだがメールアドレスを登録することで通知を受け取ることもできる。
- Orchestratorのログはどのくらいの期間まで保持されるのか?
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監査ログは2年間、ロボットログは30日間保持する。
参考:Automation Cloud – ログについて - Orchestratorにはどういった情報が保存されますか?
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下記に該当するデータが保存される。
- 登録したRobot(ユーザーや端末)に関するデータ
- Studioで開発した自動化ワークフローパッケージ
- ワークフロー実行時のログ
- アセットやストレージバケットの登録データ
- Orchestratorを使うためにどのサイトをホワイトリストに入れるべき?
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クライアント側のStudioおよびRobot、Cloud上のOrchestratorに接続するサービスについて記載された下記のページを参考に設定する。
- UiPathが提供するサービスのサービスレベルは?
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下記を参照する。
- Automation CloudはISMAPを取得している?未取得ならその予定はある?
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未取得。現時点で取得の予定もなし。
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