UiPathのData Serviceを調べてみた

目次

特徴

Data Serviceとは、UiPathプラットフォームで利用する業務データを簡単に管理・利用可能にするストレージサービス。基本的にUiPath製品と連携して使うことを想定された仕様となっている。

メリットデメリット
簡単にデータモデリングができる
業務に使うデータを集中管理できる
効率的にジョブを実行できる
UiPath製品の横断的なデータ利活用ができる
データ容量が1GBまでと少ない
他UiPath製品を併用する前提のため汎用性は低い

メリット

簡単にデータモデリングができる
すべての操作がSQLなしで画面の操作で完結するため誰にでも使えて、テキストや数値、ファイル等の多様な型のデータをモデリングできる。

業務に使うデータを集中管理できる
RPAで使用する業務データをUiPathプラットフォーム内で集中管理し、ユーザーごとにアクセス権
を設定し安全に共有できる。

効率的にジョブを実行できる
Webや他の業務アプリ等から必要なデータをあらかじめ格納しておくことで、自動化プロセスのデータ参照処理にかかる時間が短縮できる。

UiPath製品の横断的なデータ利活用ができる
StudioやRobotと連携してデータの追加や更新等のデータ操作ができ、さらにApps1やAI Center2等のデータソースとしてシームレスなデータ利活用もできる。
また、Appsを併用すればライセンス不要でロボットを実行できるので、ライセンスを全社員分購入することが難しくてもRPA利用者を増やすことができる。個人的にはこれが一番のメリットだと思う。また、実行しなくともRPAによって生成されたデータの閲覧によってRPAの恩恵を受けられる。

Appsで作成されたWebアプリを利用するには、Automation Cloudのユーザーアカウントを作成するだけでOK(Enterpriseはユーザー数無制限)

未検証のため、Apps製Webアプリからロボットを実行したときにライセンスがどう消費されるのかがよくわからない。Attended(有人)はNamed Userなので特定のユーザーしかキックできず、Unattended(無人)ならフォルダ内のユーザーならだれでも実行できる、とか?

デメリット

データ容量が1GBまでと少ない
添付ファイル(データ型File)の場合は5GBまでで、容量の追加購入もできない。
参考:Data Service – ライセンスの割り当てと管理

他UiPath製品を併用する前提のため汎用性は低い
(メリットの裏返しだが)UiPath製品と連携して使わない場合は、外部アプリケーションとの連携もなく、特に便利でもないので使う理由がない。

ユースケース

前述のメリット・デメリットを考慮して、Data Serviceをおすすめできるケースとできないケースをまとめた。

おすすめできるケース

RPA(Studio、Robot)で業務効率化したい

ロボットが処理するデータをExcel等で保管するとファイルのバージョンがめちゃくちゃになったり、どこに保存したかわからなくなったりしがちなので集中管理すると混乱しない。さらにデータをあらかじめ格納しておくことでワークフローの実行速度向上も見込める。

Appsで社内ポータル等を作りたい

Appsで作成したWebアプリにはData Serviceに格納されたデータをソースとした、グラフや表等のコンテンツを配置できる。

業務データにAI Centerの機械学習を使いたい

機械学習モデルに読み込ませるデータとその結果を保存でき、さらに別のワークフローで活用したり、Appsでグラフ化して社内に共有するなど使い方はいろいろある。

おすすめできないケース

UiPathに限らず社内のすべてのデータを集中管理したい

データ容量が1GBしか使えず、追加購入もできないので社内のデータ管理には向かない。

UiPathは導入しているがあまり活用できていない

Data ServiceはUiPath製品での活用を前提としたデータストレージのため、まずはRPAでの業務効率化を進めるべき。

FAQ

利用する条件は?

以下を満たす場合は利用可能。

  • Automation CloudかAutomation Suiteを利用している
  • Automation Developer – Named UserやAttended – Named User等のData Serviceが使用可能なライセンスを契約している(UiPath LicensingのUiPath Software Capabilitiesを参照)
  • Orchestratorをモダンフォルダ―で利用している
  • テナント内でData Serviceが有効化されている
  • Studio/Robot 20.10~にて利用が可能になっている
セキュリティ面は大丈夫?

Automation Cloudの場合はAutomation Cloudのセキュリティに依存する(詳細は↓の記事を参照)。
Automation Suiteの場合は自身で用意した環境(AWSやAzure、GCP等)に依存する。

csvのデータをインポートできる?

できる。データの追加方法は下記の3通り。

  • 画面から1レコードずつ追加する
  • csvファイルをインポートする
  • データを追加するワークフローを開発し、ロボットに処理させる
RDBのようにエンティティ間にリレーションを作れる?

できる。方法はData Service – リレーションシップを作成するを参照。

SQLを使ったデータの処理は可能?

できない。データの追加、更新、削除等のData Service専用のアクティビティが用意されているので、目的の処理を行うワークフローを開発してロボットに実行させる必要がある。

  1. AppsはUiPathのローコードでWebアプリが作成できる機能 ↩︎
  2. UiPathで分類や回帰、画像解析等の機械学習モデルが使えるサービス ↩︎
  3. UiPathプラットフォームのデプロイメントのことで、Automation Cloud、Automation Suite、オンプレミスの3種類ある ↩︎

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